下記3モデルの重心と板の軌道を考える。
スキーのターンは実際には図3のモデルだと考えられる。
細黒線が重心の軌道、太青線が板の軌道を表す。

【図1】

重心と板の軌道が円を描いているモデル。
実際にはこのような動きにはなっていないはず。

このモデルで考えると、角運動量保存則により、ターン弧マックスで最高速になり、 クロスオーバー地点で元の速さに戻ってしまうはず。

【図2】

板は円を描き続け、重心が移動することでクロスオーバーするモデル。
重心がA地点の時に板はA'地点で、重心がB地点の時には板はB'地点。
実際にはこのようなクロスオーバーは不可能だろう。

このモデルで考えてもやはり、角運動量保存則により、A地点で最高速になり、 クロスオーバーに向かって急激に減速が起り、クロスオーバー地点で元の速さに 戻ってしまうはず。

【図3】

重心は等速直線運動(正確には緩い放物運動)をして、 板が移動してクロスオーバーをするモデル。
重心がA地点の時に板はA'地点で、重心がB地点の時には板はB'地点。
スキーのターンは実際にはこのモデルだと考えられる。

A地点からB地点までは、重心はほぼ等速直線運動をしている。
この間は >>60 の糸の切れた状態、と考えて良い。
>>60 では、再度円運動を始める際に、運動する方向が違うため減速が起るが、 B地点では同じ運動方向で逆の弧を描き始めるため、減速が起らないはず。
よって、A地点で重心が中に入る割合分だけ、角運動量保存則により加速が行われて いるはず。

A'地点からB'地点までの板の移動で減速が起きないかについて、 もう少し考える必要はあり。